急増する自己破産

自己破産とは、多額の負債で苦しむ人のためにほとんどリスクを負うこともなく、負債を免責にし、再スタートが切れるように設けられた制度です。破産をすれば戸籍に傷がつく、選挙権や被選挙権がなくなるといった類いのことをいう人がいますが、自己破産にはそのようなデメリットはありません。

 家具の差し押さえもありませんし、破産宣告後に得た収入は自由に使えます。また、戸籍に記載されるとか、公民権が停止されるようなこともありません。デメリットといえば、個人信用情報機関ブラックリストに記載され、5~7年間はクレジットカードをつくることが出来ず、住宅ローンや無担保ローンも組めないこと、さらに最低10年間は、再度免責決定を受けることが出来ないことなどでしょう。

 こうした制度のため、最近では、安易に自己破産を選択する多重債務者が増えてきました。しかしながら、一部では自己破産の安易な利用も目立ち、問題視されています。

 自己破産のほかにも債務整理の方法として、特定調停、任意整理、民事再生などがあります。このような事態に陥ったときは、弁護士などに相談し、最も適した手続きを選択することが肝要です。